恩田川短歌 8首

金子治男

 
恩田川 時をたがえず 桜咲き
その不思議さに 神を悟れり



恩田川 水の行き先 思うなら
海雲雨川 くり返す


恩田川 元は蛇行の くねり川
田畑はさんで のどかなりけり


恩田川 桜咲くほど 人集まりて
泳ぐ鯉見て 共に歩まん


生い茂る 桜の中に 恩田川
人のざわめき 水音響く


恩田川 川べり掘れば 化石出る
古来を称える 今桜花


桜散る 恩田川べり 歩くなら
今は亡き母 思い出すかな


桜咲く 恩田川には 鯉の群れ
川べり歩くは 人の群れかな