宇宙の起源
 

  1982年 金子治男

22.7cm×15.8cm アクリル画

宇宙の起源については多説あるが、どの説を取っても、科学的に十分に証明されているものは一つも無いと科学者は言っているが、果してそうであろうか。例えば、ビッグバンと呼ばれる爆発説は、宇宙は爆発した巨大な火の玉から始まり、物質の塊が宇宙空間に飛び散り、やがて星や惑星を形成し、そうしたものが、今なお、爆発の中心部から遠ざかっているという説であるが、物理学者アレン・D・アレンはこの説に関して「どんな理論上の答えも証明にならない。つまり、その真実性を証明する方法がない。」と述べている。

他にも、定常説と言われる説によると、宇宙の構成は常に今日と同じであり、物質は絶えず形成されているとするものである。もう一つは振動説というもので、宇宙は数十億年の周期で、拡大と収縮を絶えず繰り返している、というものである。これら三つの学説について、科学者 R・M・ハーベックとL・K・ジョンソンは「地球と宇宙科学」という本の中で、次のように述べている。「どれを取っても、他より特にすぐれている、というわけではない。読者はどれでも自分の好む学説を選んでよい。あるいは、そのすべてを退けてもさしつかえない」。と述べている。

今では、これら三つの説の内、爆発説が最も優勢になっているが、カリフォルニア大学の研究チームによると、「宇宙の爆発は、綿密に調査してみると、膨張がきちんと制御され、むらなく一様であって、みごとに調和している」。と発表したが、この発表は、宇宙がどのように進化したか、という謎を深めたに過ぎない、と、ある科学記者は述べている。

しかし宇宙全体には、数学的秩序があり、人間の作り出したどんな時計よりもはるかに正確に運行している。例えば、日食に関して言えば、2001年から2100年の100年間に224回の日食が起る。その内77回は部分日食である。72回は金環食になり、68回は皆既日食になる。7回はその中間であり、皆既日食と金環食に間のものとなる。

又、セシウムという原子は、1秒間に9,192,631,770回振動する。これを利用した原子時計の誤差は37万年に1秒しか無いのである。さらに地球に関しては、人間と動物が住むためにすばらしく設計されている。そうであれば、宇宙が単なる自然現象、又は偶発的な爆発によって作られたと考える事は、何と非科学的で愚かな事であろう。広島や長崎に投下された原子爆弾が、数学的秩序を生み出し、一つでも有益なものを作り出す事はなかった。ただ破壊のみを、もたらしたのである。

そうであれば、宇宙には数学の計算を行ない、人間の益の為を考えて、設計した創造者によって宇宙が作り出された、というこの説が最も科学的であり、十分に証明された宇宙起源説であると言えるのである。創造者は宇宙を創造した時に、宇宙が数学的秩序を保ちながら上下、左右、前後の方向に広がって行くように法則を創造したのであり、それは単なる自然現象や偶発的な爆発ではない。宇宙には光の半分の速度か 光以上の早さでの、膨張が観察されており、数学的秩序が保たれているのであれば、それは宇宙には始まりが有り、理知者による創造が行なわれたという明確な証拠なのである。