パラダイスに至る三つの門 (音楽)



 

  1967年 金子治男 20歳

油彩と水彩 182×364cm

この絵は全人類が昔から切望している、幸福の満ちるパラダイスの入口を抽象的、象徴的、比喩的、音楽的に表現したものである。ここには戦争も犯罪もなく、悲しみも苦しみも病気も死もない。ただ喜びと平和、そして幸福だけが満ちる。歯車が多くある事は、活発で勤勉で、活動的である事を意味している。串刺しのような物がいくつもある事は、一本の軸によって結び合わされ、平和と幸福を貫く、結び合わされた一致した家族、もしくは組織を表している。丸い物が果てしなく続いている事は、平和と幸福が永遠に続く事を意味する。誰がこの永遠の命に至るパラダイスに入る事ができるだろうか。そのためには三つの門をくぐり抜けなければならない。即ち狭き門、真理の門、命の門である。狭き門の前には、入ろうとする者を阻むものが確かにある。多くの人々が選ぼうとしない正義の道を選ぶ生き方、それが狭き門である。偽りを避け、真実の事柄に従って歩む生き方、それが真理の門である。命の門とは滅びに至る歩みを避け、真の命である永遠の命に至る生き方を選ぶことである。悪を行う者は、このパラダイスに入る事はできないであろう。全人類の平和と幸福、それが真の芸術の永遠のテーマである。(金子画廊天井画より)