イスラム教とバビロン
 

 

2015年 金子治男

コラージュ画/色鉛筆画

イスラム教は、世界で約16億人の信者を有し、70以上の宗派に分かれている。イスラム教とは、マホメットを教祖とするため、マホメット教とも言われ、回教とも、フイフイ教とも言われる。又、マホメットの事を、ムハンマドとも、モハメドとも言われる。
イスラム教の基本的な教えは、「全的服従」つまり人間の義務は、神の御意志への服従であると教えている。マホメットは西暦570年に、サウジアラビア西部の都市メッカで生まれたと言われている。マホメットは、旧約聖書に出てくる、アブラハムのそばめ、ハガルの息子、イシュマエルの子孫であると主張している。

マホメットは、唯一の神、創造主アラーが存在し、これを信ずる人は、天の楽園で報償が与えられ、悪人は地獄で、刑罰を受ける、と教えた。イスラム教は、アラーの他に神はなく、
マホメットは、その預言者であると主張している。イスラム教は、ユダヤ教と背教したキリスト教の影響を受け、三位一体は、エホバとイエスとマリアで成り立っていると考えた、
マホメットは西暦630年メッカの町を奇襲し、無血で屈服させた。その故に市の長官たちは、マホメットを、神の全権大使として承認した。この勝利を通じて、マホメットの宗教は、アラビアで確固たる地位を確立したのである。マホメットは、聖典コーランを残したが、彼はこれを天使ガブリエルを通じて、彼に伝達された神の言葉であると主張した。

マホメットは既に、メッカで行われていた隕石崇拝を取り入れて、彼の宗教制度の一部にした。
マホメットは、第七番目の、最後で最大の預言者として、高められるようになった。彼に先立つ預言者とは、旧約聖書に出て来る、アダム、ノア、アブラハム、モーセ、ソロモンである。
マホメットは、キリスト教国で教えている三位一体は、神を冒涜する教えであると断言した。
彼は神は子孫を持たないので、イエスを神の子として受け入れられないと述べた。

マホメットは、新約聖書の記述は、イエスについての記録を偽造したと主張しているが、この主張は立証されている訳ではない。新約聖書のガラテヤ3章16節にはこう書かれている。
「約束はアブラハムとそのひとりの子孫につげられました。・・・・・その方はキリストなのです」。旧約聖書には、神の名前ヤハウェ(エホバ)が6828回出ているが、コーランには、神の名前は一度も出てこない。「アラー」とは「神」という意味であって、神の固有の名前ではないからである。

回教徒は、申命記18章15節に預言されている。モーセの兄弟達の中から出て来る「モーセのような預言者」とは、マホメットであると主張している。しかしマホメットは、モーセの兄弟達であるユダヤ人から出ておらず、モーセの子孫に関する神の約束にあずかる事を神から拒まれたイシマエルの子孫なのである。コーランは、イエスが刑柱にかけられて死んだ事を否定しているが、新約聖書はこの事を認めて、イエスは神によって死からよみがえらされた事を示し、
イエス以外に救いはない事を示している。(使徒4:10-12)

しかし、コーランはモーセを神の預言者として認めながらも、イエスがモーセのような預言者である事を、否定しているのである。回教徒はイエスが「慰める者」又「助け主」に関して言われた事を認めるが、それをマホメットに適用している。
マホメットは、人間の魂の不滅性を教えているが、聖書はそれを否定し、それはエバと会話した蛇の背後にいた、悪魔サタンの教えであることを示している。(伝9:5 詩146:3.4 創3:4
黙示録(啓示)20:2)
回教では、死後に人間の魂は、天の楽園のパラダイスに行くか、七層の地獄で苦しめられる、と教えられている。又、アダムは、諸天の内の最も低い天にいる、と教えられている。しかし
聖書のヨハネ3:16によると「天より下った者、人の子(イエス)の他には天に上った者はいない」と書かれている。

イスラム教の聖典は、コーランもしくは、クルアーンと言われているが、コーランの全ての章の冒頭には、「慈悲深く、慈悲あつき神のみ名において」という言葉がある。また、イスラム教の別の聖典ハデイーズの中には、殺人に関する厳しい処罰について書かれている。これらの言葉を固く信ずるイスラム教徒は、決して人を殺害するような事はしないでしょう。例えば、熱心なイスラム教徒であるモハメド・アリは次のように述べている。
「いかなる理由があろうとも、殺人に加担する事は出来ない。アラーの教えに背くわけには行かない。わたしは神の法に従う。何の罪もないベトコンに銃を向ける理由はわたしにはない」
(モハメド・アリ 名言集)
その故に、テロ事件など決して起こす事のない、憐れみ深いイスラム教徒に感謝します。
イスラム教は、世界全体で約16億人の信者を有し、キリスト教世界に次いで、世界で2番目に
多くの信者を有している。イスラム教信者は、ムスリムと言われ、その意味は「アラーに対する服従」を意味している。コーランの中には、旧約聖書の並行記述が多く、その中には、旧約聖書の登場人物、アダム、ノア、アブラハム、イシュマエル、ロト、ヨセフ、モーセ、サウル、ダビデ、ソロモン、エリヤ、ヨブ、ヨナ、ゼカリア、ヨハネ、イエス、マリア、などが
何度も出てくる。

イスラム教徒は、自分達の信仰は、昔の忠実なヘブライ人や、クリスチャンに与えられた啓示の終局的な結果であると考えている。イスラム教徒は、メッカに在るカーバ神殿で隕石崇拝を行っている。カーバ神殿は、最初天界の原型に基づいて、アダムにより建てられたもので、大洪水後アブラハムとイシュマエルにより、再建されたとされている。やがてその神殿は360体の 偶像の聖所、とされるようになった。西暦630年ムハンマドはメッカを無血開城させ、支配権の獲得を達成し、カーバ神殿から偶像を一掃して、そこを巡礼の中心地として確立した。

イスラム教は、一夫多妻を認めている。コーランのスーラ3:4によると、「あなたがもし、孤児の女たちに対し、公正にしてやれそうにないなら、あなたがたが良いと思う、2人または4人の女を娶れ」となっている。ムハンマドは、多くの女性と結婚し、亡くなった時には、9人の未亡人を後に残した。イスラム教は7世紀以来、北アフリカ、パキスタン、インド、バングラデシュ、インドネシアまで広まった。しかし、聖地を取り返そうとするカトリックの十字軍と戦い、1492年カトリックはスペイン奪回を完了した。

イスラム教の聖典であるコーランは、3代目のカリフによって書き記すように命じられ、
西暦650年頃編纂されたものである。コーランは114章から成り、内容にとらわれずに、長い文章から順に構成されている。内容は信者が守るべき規範が網羅されている。イスラム教にはコーランの他に、ハデイーズという聖典がある。これはムハンマドが亡くなってから直後に編纂され、ムハンマドの言行が記されている。イスラム教では6信5行が義務ずけられている。
6信とは、アラー・天使・啓典・預言者・来世・予定の6つを信じなさいという事である。啓典の中には、旧約聖書と新約聖書も含まれている。5行とは、1 信仰告白 2 礼拝 3 断食
4 喜拾 5巡礼 である。

イスラム教は、ムハンマドの死後、ムハンマドの代理人とするカリフが統治する時代を迎える。(4代目まで) しかし4代目のカリフであるアリーが統治を始めると、3代目ウスマンの
血族であるウマイヤ家は、アリーを4代目と認めず暗殺した。ここから分裂が生じたのである。アリーを支持する一派は「シーア派」と呼ばれ、ウマイヤ家を支持する一派は「スンニ派」と呼ばれるようになり、指導者はカリフと呼ばれている。現在スンニ派は、全イスラム教徒の9割を占めている。一方、シーア派の指導者は「イマーム」とよばれ、イマームの言行は、コーラン・ハーディージュに次ぐ権威ある啓典とされている。

イスラム教は70以上の宗派に分かれているが、いずれにしても、その教義は、キリスト教会
や、仏教、ヒンズー教、その他あらゆる宗教と同じように、 古代バビロンの教えである、魂不滅や、地獄の教え、三位一体などを教えている。古代バビロンとは、旧約聖書に出てくる、
バベルの塔の建設者である、真の神に敵対するニムロデ崇拝から始まった宗教を意味している
(創世記10:8.9) それらの教義はは凡て、悪魔サタンから霊感を受けたものであり、聖書の教えに反するものである。その故に、古代バビロンの影響を受けた宗教は凡て、「大いなるバビロン」と呼ばれ、臼石が海の中に投げ入れられるかのように、神の裁きによって、永遠に滅ぼされる事が聖書の中で預言されている。(黙示録(啓示)18:1~21) その故に救われて永遠の命を得たいと思う者は、古代バビロンの影響を受けておらず、聖書の真理を正確に伝えている、真の宗教を見出し、その宗教を実践しなければならない。