怒り
 

  1963年 金子治男 16歳

水彩画 55×70cm

怒りという感情は誰も望ましいものではない。しかし、その望ましくない感情の中に、秘められた美が潜んでいる場合もある。しかし、多くの場合、そうではない。怒りにも、あらゆる怒りがある。多くの人々は自分が人から不当な害を被る時に怒りを感じる。
自分自身についても物事がうまく行かず、自分の愚かさ、罪深さに怒りを感ずる場合もある。又、他の人が、利己的であったり、悪質であったり、無神経で鈍感であったりすると、怒りを感じる場合もある。又、支配者達が不当な支配を行い、人々を圧迫し、牛耳る時に怒りを感じる場合もある。しかし、いずれにしても、自分に歯軋りする程の怒りが、はらわたが煮え繰り返るほどの怒りが、込み上げたとしても、怒りを制御する事は、何と大切な事だろう、怒りを制御しない為に、重大な罪を犯し、煩問と苦しみを、もたらし、自分と他の人を、破滅に至らせる場合がある。怒りを制御せよ、怒りを制御することは富にも勝り、多くの才能にも勝る。怒りを制御するなら、平安と喜びと幸福を、自分のものとする事ができるであろう。